あがり症の人が演奏する前に

人前で演奏する時に緊張してしまって思うようなパフォーマンスが出来なかった・・・・なんて事ありませんか?発表会やライブ、ブラバンなどの定期演奏会でのソロ、そして今のシーズンだと音楽大学受験の実技演奏でしょうか。

ライブや定期演奏会だと目の前におられるお客様は今から始まるあなたの演奏を楽しみにしておられる方々です。プレイの前にお辞儀をすると拍手が起こり、「頑張らなくちゃ!」とかちょっと良いカッコしたかったり・・と、気持ちは比較的ポジティブな方向にあるので多少の緊張感はむしろプラスに働くでしょう。

しかし、受験の実技試験会場はかなり雰囲気が重いです。数人の試験官が無言で座り、名前(もしくは受検番号)を述べてお辞儀をしても「シーン・・・・」無言の圧力の中緊張が悪い方向に働いてしまう方もいるかも知れませんね。(試験官は大体オーケストラ科の講師や教授で、心の中では頑張れ!と思ってらっしゃる方が殆どの筈ですよ!)

今日はそんな場面で緊張を解く方法をお伝えします。

その方法はズバリ、深呼吸です。 ただし、吸気より呼気をかなりゆっくりとします。 ポイントがいくつかあり、

  • 体を温める(暖房、もしくはカイロ等)
  • 吸気は鼻から、呼気は口から
  • 可能なら少し歩きながら
  • 手指を温めながら
  • 女性は立ちくらみ注意

「体を温める」・・・これだけでかなり緊張が和らぎます。逆に言えば、寒いと体が震えてしまい、メンタルまで緊張してしまいます。心と身体がつながっている事を利用して、身体をまずリラックスさせるには温度は非常に重要です。もし、この深呼吸をする際に手指の冷たさを感じる人は手袋やカイロで温めながら行って下さい。

では、まず息の吸い方からご説明します。

お腹を膨らませるように鼻から息を吸います。

次に背中で吸うつもりで。

さらに胸で吸うつもりで。

肩甲骨で吸うつもりで。

肩で吸うつもりで。

その肩をぐっと手で押し下げて、さらにもう一度肩で吸います。

結構苦しいです。 そこから細くゆっくりと息を口から吐きます。小さな音のロングトーンのつもりで。可能なら摺り足でゆっくり歩きます。

呼気は最後「もうこれ以上吐けない」ところまでゆっくりと吐き出します。これによって血圧が下がります。そうするとドキドキとした動機や身体の震えが治り、結果気持ちもリラックスします。 この方法は大学生の時に声楽科の先生がオペラの本番前に緊張を解くためにするんだよ〜と教えてくれました。

ただし、「暖かい気温」と「深呼吸」は本当に血圧が下がりますので立ちくらみを起こしやすい(特に女性)は気をつけて下さい。演奏の際の立ちくらみに関しては過去記事にご案内しております。

音大受験の皆さん、控え室では試験曲をさらったりせずに(もう十分に練習出来ているはずです、大丈夫!☺️)ゆっくり身体を温めて、リードを確認したら「 ソ#」「ド#」キィがくっついていないか確認して深呼吸でリラックスしてからベストなパフォーマンスが出来るイメージトレーニングをして試験会場で演奏して下さいね〜❣️

ちなみにトップのアイキャッチ画像はCannonball のブラックニッケルのサテン仕上げ「Raven」です。ネックとスプーンキィにはオニキスが入り、タンポも漆黒の仕上げです。吹かせて頂いたのですが、軽く吹いても迫力の大音量と重量感がありました。(実際の重量もセルマー等に比べて少し重たいです。)カッコイイ〜❤️ 詳しい画像はムラータミュージックインスタグラムにもアップしています。

ムラータミュージックのホームページはこちらです。

村田 紅
大阪音楽大学卒業後ミ・ベモルサクソフォンアンサンブルメンバーとしてヨーロッパ諸国やアメリカカーネギーホールやタイ王室、中国などでのクラシック音楽の演奏を経てジャズ、ラテン、現代音楽とジャンルにとらわれない演奏スタイルを確立。 音楽理論、ソルフェージュのレッスンも行っている。