サックスリードの加工

以前にもブログでサックスリードの加工についてご説明した通り、天然素材のサックスリードはどうしても品質にバラツキがあります。いわゆる「当たりハズレ」ですね。 これは天然の葦を使用しているので、仕方のない事と言えばその通りなのですが、少しの工夫で一箱全部使えたらいいなぁ〜。と思いませんか?

前回のサックスリードの加工についてでご説明した内容は「ちょっとしんどい(抵抗が大きい)リード」に有効な対処法でした。 今回はちょっと禁じ手な感じの「使いすぎてくたびれた(薄くなってしまった)リードを使う」と言う方法です。

ここで予め申し上げておきたいのは、これはあくまでも非常事態のみに使う禁じ手であると言う事です。

非常事態とは、「今日ライブ当日で替えリードの持ち合わせが無い!」とか、「リハーサルで本番用のリードがへばってしまい、替えが無い!」とか「今何がなんでも練習したいのにリードがへたってる!」など、とにかく1枚しか無いリードが薄くなってしまった時です。 もし予備があるなら薄くなったリードはもう捨てましょう。

ちなみに私は薄くなったリードは開きの深いマウスピースで再利用しています。(捨てないんかい!)マウスピースを複数所有している方はそのようなリユース法もオススメです。

では早速簡単な方法からやってみましょう。

その1:リードのセッティングを少し上にずらす。

真横から見てほんの少しだけリードがマウスピースよりも高い位置に来るようセッティングします。リードを背にしてマウスピースを正面から見るとこのような感じになります。

目安としてはリードが髪の毛一本分マウスピースより上に出ているようにセットします。

これは別に禁じ手でも無く、普通のセッティングの許容範囲内です。

その2:リードの上を少し削る。

  先に申し上げますが、不器用な人にはオススメできません。(私作業細かくて器用です。苦手な方、加工して差し上げますよ!もし非常事態ならですが・・・)

ここでもやはり400番のサンドペーパーが必要となります。是非楽器ケースに常備しておきましょう。

では早速写真と動画で説明します。

では実際に削る様子をご覧ください。動画は音声と削る音が出ます

これは左右1回ずつ触ったらすぐに試奏して確かめて下さい。やりすぎると使えないリードになります。また私は左手にサンドペーパーを持って左から削りましたが、左右はどちらでも構いません。確実にコントロールできる手にサンドペーパーを持って加工して下さい。方向や力加減を間違うとリードの端にささくれができてしまいます。

ここで注意事項がさらにあります。このように加工中で無くともリードの端がささくれだつ時があります。

わかりやすい写真のためにわざと大袈裟にささくれを作って撮影したのですが、実際にささくれが出来る時はもっと小さな変化です。

使用済みのリードには自分が使用したとは言え雑菌が付いているので、唇に刺さると腫れ上がることがあります。ささくれてしまったリードは必ず捨てましょう。

それでもそのリード1枚しかなくて使わざるを得ない時は・・・・。必ずささくれを毟って取り去ってから使って下さい。(結局使うのね・・)

今回は非常事態の使用法をご説明しました。こんな事態にならないためにもリードは常に予備を用意しておくようにしましょう。 また季節によって使用感も変わるので、違うメーカーの物も常備していると安心です。 私の場合、最近では「ウッドストーン」「バンドレン黒箱」「バンドレン青箱」「アレキサンダー」を常備しています。

今回は使い込んだリードが薄くなった時の対処法をご説明しました。リードとマウスピースは音色と吹奏感に大きく影響しますので、また多くの情報をお伝え出来ればと思います。

ムラータミュージックのホームページはこちらです。レッスンの様子などもご紹介しております。

ところで・・・、先日初めて永観堂へ行きました。紅葉が本当に綺麗で驚きました。こんな感じでしたよ☺️

村田 紅
大阪音楽大学卒業後ミ・ベモルサクソフォンアンサンブルメンバーとしてヨーロッパ諸国やアメリカカーネギーホールやタイ王室、中国などでのクラシック音楽の演奏を経てジャズ、ラテン、現代音楽とジャンルにとらわれない演奏スタイルを確立。 音楽理論、ソルフェージュのレッスンも行っている。