リードとマウスピースの組み合わせを偉人達から学んでみよう:アルトサックス編

サックス吹き民にとってリードとマウスピース選びは常に悩みのタネと言うかお楽しみのネタと言うか・・・・
やばい沼ですね。私は長年どっぷりとこの沼を楽しんでいます。

「私はこれ!」と決めてしまうよりかは、「この曲ならこの組み合わせが良いかな〜。」とコーディネートを楽しめるようになると、表現の幅はより広がると思います。

曲の雰囲気やジャンルによってリードやアンブッシュアー、マウスピースを柔軟に使い分けられると良いですね。

参考としてスーパースターの設定を見てみましょう!

チャーリー・パーカー(Charlie Parker) セッティング

マウスピース : 初期 Brilhart その後Otto Link のラバー、のちに Otto Link メタルを使用していた様です。

リード : 4番 メーカー不明だが時代的に Rico かVandoren(多分Rico)

マウスピースの番号はわからないのですが、時代背景から5番か6番と思われます。

このセットアップは顎に負担がかかりやすいので華奢な人や未成年(まだ親知らずが生えていない)は気をつけて下さい。

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アート・ペッパー(Art Pepper)セッティング

マウスピース :M.C. Gregory model16, Mayer 6(かなり狭い開を好んでいたとの情報も有り)

リード:メーカー不明ですが、よりハードなリードを好んでいたとの記述が多いので3.5〜4と思われます。

チャーリー・パーカー同様華やかな系統の音色ですが、アルバム Art Pepper meets Rhytum section では甘い音色も聞かれます。 楽器本体を Mark VI 使用の時代と Mark VII 使用の時代がある様なので、その事も音色に大きく作用すると思います。 (Mark VII の方がファンキーサウンドになります)

ポール・デスモンド(Paul Desmond)セッティング

マウスピース:M.C. Gregory 4A18 (現在は生産されていませんが、かなり狭い開きの様です。)

リード:Rico 3.5

狭い開きのマウスピースで3.5のリードはとても柔らかい音色になります。メイヤーの4番か5番でも同じようなサウンドは作れるのでは無いでしょうか。意外とクラシック用のマウスピースでも良いかも知れません。

演奏そのものを「美学」と言われるほどに美しく優しい音色は根強いファンが多いですね。 Vandoren optimam マウスピースと Vandoren traditional 2.5 リードでもこの系統の音色は作れると思います。

キャノンボール・アダレイ(Cannonball Adderley)

マウスピース : Mayer 5番

リード : Rico 2番、Vibrator Reeds(現在は生産されていません、面白い加工がされたリードです。)

比較的狭いマウスピースに非常に薄いリードであのまろやかで甘い、パワフルなサウンドを出していたと言うこ柔軟で完璧なアンブッシュアーのコントロールだったことがわかります。

私は誰もが目指すべきはここでは無いかと思っています。
使用してみるとわかりますが、2番のリードは力が入りすぎるとすぐに音が裏返ってしまいます。
脱力したまま音程を保ち、且つ大きな音量を出すのは慣れるまで大変ですが体にも負担が一番少ない理想的なセッティングだと思っています。

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渡辺貞夫

マウスピース : Mayer 5番

リード : Vandoren Traditional(青箱)2.5

ジャズ界の至宝、渡辺貞夫さんもキャノンボールアダレイと似ていますね。甘く明るい理想の音色と思います。大好きです!しかもメイヤーとバンドレンと言う王道の組み合わせ。明日からでも真似できるセッティングですね。92歳の今でも使用されているので体にも無理がないセッティングと言えます。

デビット・サンボーン(David Sanborn)

マウスピース:Brilhart, Dukoff, 後に Drake metal Sanborn model

リード : Vandoren Java, V16 2.5 or 3

デビット・サンボーンは非常に細かくリードのお手入れをしていたようで、フランスのセルマー本社で説明している動画もあります。大事なことは湿気を保つ事の様でしたが、これは乾燥している欧米ならではのお手入れかも知れません。

ジェラルド・アルブライト(Gerald Albright)

マウスピース : Beechler Diamond Inlay ハードラバー8番

リード : La Voz medium hard

広い開きのマウスピースに柔らかいリードは非常に輝かしいパワフルなサウンドになります。力一杯息を入れてもマウスピースがしっかり受け止めてくれるので、強い圧で演奏したい人にピッタリですね!

メイシオ・パーカー (Maceo Parker)

マウスピース Brilhart Ebolin 3番

リード Vandoren Java 3.5

歌もダンスもラップもサックスも何もかもファンキー!
82歳の今もビシッとスーツを着てめちゃくちゃかっこいいですね。もうマウスピースとか関係ないんじゃ無いかと思ってしまいますが、すぐにでも真似出来る設定ですね。

何度かライブも見に行ったのですが、マウスピースはクラウドレイキーかと思った時がありましたが・・・
なんでも良いです。好きです。うん。

以上時代を追ってビバップ〜フュージョンまでマウスピースとリードのセッティングを考察してみました。
曲によって参考にしてみても良いですね!

どれも昔ながらのメーカーが多かったですが、近年も優秀なブランドが多く出てきました。
マウスピースならヤナギサワ、ジョディジャズ。リードはWoodsotone など選択肢も多い良い時代になりました。色々な組み合わせで音色を楽しんでみてはいかがでしょうか。

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村田 紅
大阪音楽大学卒業後ミ・ベモルサクソフォンアンサンブルメンバーとしてヨーロッパ諸国やアメリカカーネギーホールやタイ王室、中国などでのクラシック音楽の演奏を経てジャズ、ラテン、現代音楽とジャンルにとらわれない演奏スタイルを確立。 音楽理論、ソルフェージュのレッスンも行っている。