トリッキーなフレーズ

ビッグバンドの楽譜を演奏したり、お気に入りのCDのソロを書き取ったりしている時に「テンポや譜割りが急にわからなくなってしまう」と言う事はないですか?

そのトリッキーなフレーズのキーワードは「3」です。

殆どは2拍3連か、 スリー・アゲインスト・フォー(4拍子の中に3拍子カウントのフレーズを入れる事)になっています。

有名な曲で挙げると「In the Mood」のエンディングや「Mambo No.5」のイントロですね。
どのような楽譜になっているか見てみましょう。

まず「In the Mood」のエンディングはこのような楽譜です。

譜割りを書き込むとこうなります。

「Mambo No.5」のエンディングも見てみましょう。

これも同じように3拍子で区切れたメロディです。
譜割りを見てみましょう。

どちらも4拍子の中に3拍子をはめ込んでいるため1拍ずつ「ズレ」が生じます。その「ズレ」がトリッキーに感じさせる犯人です。

知らないとギョッとしますが、知っていればなんてこと無いフレーズです。知った上で今度はあえて使ってみましょう。

よくあるタイプのフレーズを段階を経て構築する方法を示します。

まず 3 Against 4 のよくあるフレーズを用意します。

何度も練習してできるようになったらサイドキィなどを使用して装飾音を足してみましょう。

2拍3連だとこの様になります。

これは二つの音を3連符に割り当てているので、かなりトリッキーに聞こえます。

さらにプラルトリラー(1回だけトリルを入れる事)を付け加えましょう。
慣れるまでは自分自身がトリックに陥ってしまいカウント出来なくなるので何度も練習して下さいね!

これはアルバム “Blues-ette”の’Five spot after dark’でBenny Golsonが演奏しているトリッキーなフレーズです。構成自体はシンプルなのに面白いフレーズですね。
4月と5月のブルース・ワークショップはこのベニー・ゴルソンのソロを少しずつ紐解いて勉強して行きます。4月のテキストはソロトランスクライブでした。

このソロをそのまま演奏する必要はありません。
どの音を使っているか、そしてその音はどんなリズムで使っているのかを学びましょう。

5月ブルース・ワークショップは
5月9日(木) 15:30 – 16:30
5月12日(日) 14:00 – 15:00 (どちらも同じ内容)
参加費¥2,000

アドリブをしてみたいけどどうして良いかわからない・・・もっとカッコいいフレーズを演奏してみたい!と言う方、どうぞお気軽にご参加下さい。

ムラータミュージックのホームページはこちらです。

村田 紅
大阪音楽大学卒業後ミ・ベモルサクソフォンアンサンブルメンバーとしてヨーロッパ諸国やアメリカカーネギーホールやタイ王室、中国などでのクラシック音楽の演奏を経てジャズ、ラテン、現代音楽とジャンルにとらわれない演奏スタイルを確立。 音楽理論、ソルフェージュのレッスンも行っている。