マイナースケールの使い方

マイナースケールは以下の3種類があります。


・Natural minor 自然短音階
・Harmonic minor 和声短音階
・Melodic minor 旋律短音階

ここまでは「うん、知ってる」とおっしゃる方多いと思います。


じゃあ「その違いはなんですか?」「アドリブ演奏で使用するには?」「コードシンボルは?」
この質問に答えられるでしょうか。

今回はこの問題をスッキリ解決したいと思います。

・3種類のマイナースケールの違いは?
・コードシンボルは?

ーそれは 6th, 7th の音がそれぞれ半音上がるかどうかの違いです。実際に楽譜と使用するコードシンボルを見てみましょう。

Natural minor scale

Natural minor scaleは Aeolian Scale (メジャースケール6番目のモード)と同じです。 6thと 7thの音は変化しません。
コードシンボルは m7になります。

Harmonic minor scale

Harmonic minor scaleは Natural minor の7番目の音を半音上げた音階です。 6thと7thが増2度音程になり、独特のエキゾチックな雰囲気があります。
コードシンボルは mM7です。(Mを△や maj と表記する事もあります。)

Melodic minor scale

Melodic minor scale はさらに6番目の音も半音上げます。音大受験科目の「楽典」では下降形は 6th 7th を元に戻して Natural minor と同じにする事になっていますが、ジャズ理論の場合上行形のみ使用します。
コードシンボルは m6 トニックマイナーになります。

さらに、アドリブの際は メジャースケール2番目のモードであるDorian scaleも使用出来ます。
この場合 6thのみ半音上がります。
コードシンボルは m7です。

アドリブで使用するには?

まずはスケールとコードトーンのアルペジオを練習してみると使用しやすいでしょう。

Natural minor の場合他のスケールとの違いは 6thも7thも変化しないと言うことです。その二つの音を明確に演奏する事で Natural minor の使用を示す事が出来ます。

Harmonic minor の1番の特徴は 6th と 7th の音の開き(増2度)です。この二つを使用してフレーズを考えてみましょう。

Melodic minor の特徴は m6 の音です。マイルス・デイビスは好んでこの音を使用しています。 アルバム Sometin’ Else に入っている Autumn Leaves で何度も m6の音が出てくるので聞いてみましょう。

m6 を使用したフレーズは柔らかい響きに感じられます。

3月のブルースワークショップではアルバム Blues-etteに収録されている Five spot after dark より Curtis Fuller のソロ 4コーラスを書き取ったもので3種類の短音階の使い分けを分析して考えました。4月もまた違ったソロを分析しながら音階の使い分けを考えてみましょう。

3月のテキストはソロ書取り譜と解説付きで¥500です。ご希望の方は使用楽器をお知らせください。

3月のテキストがなくても4月ブルースワークショップは参加出来ます!

4月ワークショップは
4月11日(木) 15:30-16:30
4月14日(日) 14:00-15:00 どちらも同じ内容です。
曲は Benny Golson の Five spot after dark を皆さんで練習しながらアドリブを考えます。

参加費: ¥2,000

楽譜をご用意しますので、参加楽器をお知らせ下さい。

ムラータミュージックホームページはこちらです。

村田 紅
大阪音楽大学卒業後ミ・ベモルサクソフォンアンサンブルメンバーとしてヨーロッパ諸国やアメリカカーネギーホールやタイ王室、中国などでのクラシック音楽の演奏を経てジャズ、ラテン、現代音楽とジャンルにとらわれない演奏スタイルを確立。 音楽理論、ソルフェージュのレッスンも行っている。