ディミニッシュ・スケール練習方法

12キィのスケールとは別に ディミニッシュ・スケールがあります。今回はこの Diminish scale の使い方とリックを説明します。

ディミニッシュはコードシンボルとしては例えば Cの場合 Cdim. Co. Cdim7 などと表記されます。
また、コードシンボルがディミニッシュでなくてもドミナント7th でもディミニッシュ・スケールを選択することが出来ます。

ディミニッシュ・スケールには2種類 half/whole diminish (半音・全音ディミニッシュ・スケール)と whole/half diminish(全音・半音ディミニッシュ・スケール)があり、コードシンボルが Cdim. であれば C whole/half diminish、 C7b9 であれば C half/whole diminishを使用します。単なるドミナントセブンの場合どちらも使用出来ます。(どちらを選ぶべきかの判断についてはまた後日説明します。)

では早速練習してみましょう。

今回は Miles Davis が作曲した All Blues の9小節目と10小節目を演奏するつもりで、key of C, Bb, Eb それぞれの楽譜で解説します。

この箇所のコードシンボルは実音で D7 Eb7( inBb では E7, F7 inEb では B7,C7)です。この2つのコードは D half/whole diminish scale で一気に演奏する事が出来ます。何故なら D h/w dim. は Eb dim.と構成音が同じだからです。(詳しい解説はまた後日、今日はとにかく練習しましょう)

実音 D h/w dim. scale を見てみましょう。

この8つの音は規則的に並んでいるので、あるモチーフを作って短3度ずらして行くとリックが出来ます。

例えばコルトレーンの演奏で良く出てくるリックはこの様になります。少し難しいですが演奏してみましょう。

(in C D7と in Eb B7 は同じディミニッシュ・スケールを使用するので、一つにまとめます。)

in C, in Eb

in Bb (E7)

Bass clef

初心者が演奏しやすいパターンは次の様に音の間隔が狭いものになります。

in C, in Eb

in Bb

Bass clef

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さらに面白い事にこのスケールの中には4つのトライアド(三和音)が存在します。

このトライアドはアルペジオとしても和音としても第2転回形 (2nd Inversion)で使用します。

アルペジオを演奏してみましょう。ダイナミックで躍動感のある動きになります。

inC, inEb

inBb

Bass clef

ピアノをお持ちの方は和音で弾いてみましょう。
なかなか面白いサウンドですね。

All Bluesの9、10小節目で簡単なリックを使用するとこの様な感じになります。

in C

in Eb

in Bb

Bass clef

ぜひ練習に取り入れてみて下さいね。

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村田 紅
大阪音楽大学卒業後ミ・ベモルサクソフォンアンサンブルメンバーとしてヨーロッパ諸国やアメリカカーネギーホールやタイ王室、中国などでのクラシック音楽の演奏を経てジャズ、ラテン、現代音楽とジャンルにとらわれない演奏スタイルを確立。 音楽理論、ソルフェージュのレッスンも行っている。