#9th どう演奏するか考える

演奏する楽譜に C7#9 が出てきたとします。 どのように演奏しますか?

#9 はどの音?
使用可能な音階は?
アルペジオは? 
ペンタトニックは?
ピアノのヴォイシングは?
スキャットならどうする?
もっと簡単に出来ない?

これらについて簡単な解決方法から上級編の使用方法まで考えてみましょう。

#9 はどの音か

乱暴に言ってしまうと「マイナー3度と同じ音」ですが、マイナー3度は♭3 なので異名同音で表記が違います。
まず#9th の前にそもそも 9th とはどの音なのかを確認しましょう。

9th とは Root(根音)から数えて9番目の音の事です。「2番目でも良いじゃないか!」と思われるかも知れませんが、コードとは音を3度ずつ積み上げて行くものなので下図のように9番目になります。

その9th に#が付いた(半音上がった)ものが #9th と言うわけです。

使用可能な音階は何か

#9th で使用可能な音階はいくつかあります。

  1. Altered scale(オルタード・スケール)
    オルタード・スケールは半音上のメロディック・マイナースケールと同じ構成音です。
    この音階はavoid note (避けるべき音)がありません。

2. Whole Half Diminished scale(全音半音ディミニッシュ・スケール)
 これはルートから全音、半音と順番に音を積み重ねたスケールです。

3. Half Whole Diminished scale (半音全音ディミニッシュ・スケール)
 これはルートから半音、全音と順番に音を積み重ねたスケールです。

ディミニッシュ・スケールについては前回のブログで練習法や使用法に説明しております。

その他 C Dorian C Aeolian (Natural minor scale) も使えます。これは Cm7 と同じ音階です。

アルペジオはどんなものが使えるか

C7#9 コードで使用出来るアルペジオを見てみましょう。

  1. Cm7 のアルペジオ
    #9th の音がマイナー3度と同じ音なので使用できます。

2. Eb7 アルペジオ(#9th から始まるメジャーコードのアルペジオ)
   C Half whole diminished scale に含まれる音です。

 3. Ebm7 のアルペジオ (#9th から始まるマイナーセブンコードのアルペジオ)
   Cオルタードスケールに含まれる音です。

4. Bb7 アルペジオ (7th から始まるメジャーコードのアルペジオ)
   C Whole half diminished scale に含まれる音です。


5. Bbm7 アルペジオ (7th から始まるマイナーセブンコードのアルペジオ)
 敢えて音階に当てはめるなら C Locrian (Db major 7番目の音階)か C Phrygian(Ab major 3番目)とも言えますが、単に使えるテンションを含むアルペジオと考えましょう。

ペンタトニックは何が使えるか

上記のペンタトニックがもちろん使えます。
1. Cm7 ペンタ

2. Eb7 ペンタは Cm7 と同じです。(Cを Dbにもできます)

3. Ebm7 ペンタ

4. Bb7 ペンタ

5. Bbm7 ペンタ

ピアノではどう掴む?

ルートを左手で演奏する場合

簡単に右手だけなら(ルート無し)

スキャットならどうしたら良い?

まず C7#9 のサウンドを聞きながら コードの ルート #9th 3rd を歌えるようにしましょう。

バッキングを鳴らしながら下記の楽譜を歌ってみましょう。

どの音がどこにあるかを体感して覚える事で必ず音を取れるようになります。

もっと簡単に考えるにはどうすればいいか

とりあえずマイナートライアドを演奏する! まずはここから始めてみましょう。
C7#9 をみたらとりあえず Cm(ド・ミ♭・ソ)

道のりは長いですが、習得すれば演奏や音楽鑑賞はより豊かで楽しいものになりますよ!

来月のブルース・ワークショップは All Blues を題材に #9th やコードのテンションを使った演奏の仕方についてレクチャーします。 セッションではありませんので、皆さんで一緒に演奏しながら学べます。

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2月8日(木) 15:30-16:30
2月11日(日) 14:00-15:00 どちらも同じ内容です。

参加費: ¥2,000 テキストをご用意しますので参加楽器をお知らせ下さい。
どんな楽器でもヴォーカルでもご参加いただけます。

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村田 紅
大阪音楽大学卒業後ミ・ベモルサクソフォンアンサンブルメンバーとしてヨーロッパ諸国やアメリカカーネギーホールやタイ王室、中国などでのクラシック音楽の演奏を経てジャズ、ラテン、現代音楽とジャンルにとらわれない演奏スタイルを確立。 音楽理論、ソルフェージュのレッスンも行っている。