リード沼へいらっしゃい :アルト編

サックス吹きなら誰しもがハマってしまいやすい沼・・・それはリード沼。
リード沼にどっぷり浸かってはやウン十年。楽しくリード沼に生息しております。

今回はそんなリード沼住民のワタクシ、クレナイがお勧めリードからどーでも良いリードまでジワジワとご案内しようと思います。今回はアルトサックスのリードです。(テナー、ソプラノ、バリトンも追ってアップしますよ〜!)

それぞれのリード、全て違う曲を演奏します!曲名クイズも兼ねてお楽しみ下さい。何曲分かりますか?🤗

No.1 :Wood Stone

紙ケースの為保管は乾燥剤推奨

カットはアメリカンカットで腰の柔らかい優しいサウンドが特徴です。特に加工しなくても演奏しやすく、マウスピースにセットしたら特にウォーミングアップ無しですぐに吹けます。ただしバテるのが少し早いので替えの準備は必須です。どのマウスピースでも問題無く演奏出来る優等生ですね。当たり外れも少ないので安定した商品だと思います。

音はこのような感じです。 

第2位:Vandoren ZZ

フイルム個包装されており適当に保管しても大丈夫です。

Vandoren はどれも腰の部分が分厚く他社のケースに入らない程なのですが、その分持ちが非常に良いです。
長時間の演奏にも耐えられる強さがあり、サルサライブでは私は必ずVandoren を使います。その中でもこの「黒箱」の愛称で親しまれているZZは比較的どっしりした暖かいサウンドでジャンルを問わず使いやすいです。
少しサンドペーパーで加工した方が演奏しやすいので、「吹きにくいな」と感じる方は是非加工して見て下さい。
詳しい加工の仕方はこちらのブログに書きました。 正直言うと1位に選んだWood stone よりこちらの方が好きだし使用頻度も高いのですが、少しマウスピースを選ぶのと個体差があり加工が必要な場合が多いので万人向けでは無いと思い2位にしました。

音はこのような感じです。 

第3位:Vandoren Traditional

フレンチカットでクラシック演奏にも対応

同じくVandoren の Traditional です。こちらは「青箱」と呼ばれているものでヴァンドレンシリーズの中では一番歴史があります。フレンチカットで先ほど紹介したZZ に比べると少しハードな吹奏感があります。クラシック、ジャズとジャンルを問わず人気があります。販売サイトのコメントにはこちらの青箱の方が黒箱に比べてマイルドなサウンドとの説明が多いのですが、実際にジャズ用マウスピースで吹き比べるとこちらの青箱の方が華やかで明るい音色になりやすく、人によっては「キーキー」とリードミス音が入りやすいかもしれません。(ちなみに渡辺貞夫さんはこの青箱をご愛用との噂です💓)

音はこのような感じです。

第4位:Alexaner N.Y.

缶ケースの中に紙の台紙と言うスタイルです。板状の乾燥剤を入れておいた方が安全です。

Alexander シリーズはSuperial とN.Y. を使用していた事があるのですが、Superial はかなりのファンキーサウンドで尚且つすぐにバテてしまいやすいので使わなくなりました。 しかし同シリーズでもこのN.Y.は落ち着いたサウンドで吹き方次第で甘い音色にも渋い音色にもなります。 ただ「Wood stoneと似ている」「割高」「耐久性に欠ける」と言う点から最近は使用頻度が減りました。 でも音色の暖かさは群を抜いています。

こんな感じです。

第5位:Gonzalez

紙箱に紙ケースです。乾燥剤必須です。

Gonzalez はアルゼンチン製のリードです。吹奏感としてはヴァンドレンに近いのですがちょっとクセがあります。私個人的には結構好きなのですが、一箱の中に結構当たり外れのバラツキはあります。サンドペーパーなどで加工するのが苦手な人にはおすすめしません。 パワーと耐久性もあり結構割安です。セール品なんか見つけたら一度手に取ってみてはいかがでしょう。

音はこのような感じです。 

番外編1:AW Reeds GbR

こちらはドイツ製のAW と言うリードです。いつ買ったのか何故買ったのかいつから持っているのかわからない・・・。何故かリード保存ボックスに入っていました。吹いてみたら意外と良い感じで、かなりハッキリした音色です。

こんな音です。

番外編2:Rico PrastiCOVER

裏側は全面樹脂が塗ってあります

このリードを買った時はまだRICOだったのですが、今はD’Addario になりました。
このリードはケーン(葦)のリードにプラスティックのコーティングがされている・・・。と言うリードです。扱いをやめた楽器店がいくつかあったので理由を尋ねたところ「日本で発がん性物質と指定されている原材料が使用されているため」との事でした。 考え方はそれぞれですが、「食べないし、暫く吹いていてもコーティングは剥がれてない。」と言う意見もあります。 吹奏感は割とファンキーサウンドなのと、コーティングされているだけの事はあって耐久性も比較的あります。
サルサライブで使用した事もありますが、結局Vandorenに戻りました。久々に吹いてみるとなかなか良いです。

番外編3:Steuer

シュトイヤーと言うリードですが、もともとクラリネットのリードを作っていた会社がサックスのリードも作り始めた・・・・との事で発売された時結構話題になり取り寄せてもらったのですが、その時に2番しか手に入りませんでした。それ以降買っていないのでいまだに持っています。カビが生えたり痛んだりしたら捨てよう!と思うのですが、意外といつまでも綺麗に安定しています。 2番しか持っていないので、3番を見つけたら買ってみようと思います。

番外編4:Medir

紙箱にビニール製のケースです。ビニールはカビやすいのでリードケースでの保管推奨

こちらはスペイン製のリードです。「メディア」と言う読み方で紹介されていますが、スペイン語なら「メディール」では・・・と疑問に思いつつ、「何故持っているんだ。」とか「私自分で買ったんだろうか・・・。」とかいろんな疑問が湧き出てきます。 吹いてみたらとても良い感じで驚きました。

今練習室にあったリードのみを吹いたのでご紹介した種類は少ないのですが、Vandoren でも他に赤箱、緑箱、銀箱がありますし、D’AddarioはそのままRICOのリード全種類を引き継いでいますし、MARCA のジャズ用クラシック用どちらも良い感じです。

ここまで色々吹いて思う事はただ一つ。「何でも良い」 昔に比べてどの会社も本当に良くなっています。なので、セール品なんかを見つけたら、普段吹いた事が無いリードや知らないリードを是非買って試して見て下さい。確かに吹奏感は違うのですが何度も吹くとコツが掴めます。

ところで、今回9種類のリードで9曲色んなジャンルを吹いて見ました。何曲分かりましたか?
全曲わかった!と言う方は重度のの音楽マニアです!是非マニア談義しましょう。

引き続き「テナー編」「ソプラノ編」「バリトン編」も整理がてらご紹介しようと思います!

ムラータミュージックのホームページはこちらです。

村田 紅
大阪音楽大学卒業後ミ・ベモルサクソフォンアンサンブルメンバーとしてヨーロッパ諸国やアメリカカーネギーホールやタイ王室、中国などでのクラシック音楽の演奏を経てジャズ、ラテン、現代音楽とジャンルにとらわれない演奏スタイルを確立。 音楽理論、ソルフェージュのレッスンも行っている。