サックスのノイズ問題

サックスの練習をしていてオクターブ・キィを押した状態の「ソ」の音や「ソ#」の音でザー・・とかズズズ・・と言う感じのノイズ音が鳴ると言う経験、サックス吹きの方なら少なからずあるのではないでしょうか。

中低音ばかり吹いた後、オクターブ・キィを押した「ラ」の音を吹いても同じような現象が起こりやすいです。

これは気温の低い時期に起こりやすいノイズです。原因は楽器管体内側の結露がオクターブ・キィの中にある管を塞いでしまった事でおきます。

どう言うことかを説明するその前に・・・。オクターブ・キィが二つあるのをご存知ですか?

まず1つ目はオクターブキィのちょっと右上の見えにくい場所にあります。

このキィはオクターブキィと「ソ」の指を押さえると開きます。

オクターブキィを押した真ん中の「レ」から「ソ#」まではこのキィが開くことによりオクターブの音が出る仕組みになっています。

もう一つはネックに付いているキィです。

高い「ラ」より上はこのオクターブキィが開く仕組みです。

このオクターブキィの内部には小さな管が通っています。この小さな管に結露した水滴が蓋の様にくっついてしまい、ノイズの原因となります。

これはもう一つのオクターブキィも同じことです。

水滴が溜まる原因は外気温が冷たいのに、管の内側は呼気によって温められる為に温度差が生じる事です。(ツバではありませんよ〜!ツバはリードの裏側に付きます。)

ノイズを解消する為にはこのオクターブキィを塞いでいる水滴を取り除く必要があります。

その方法ですが、以前はこのオクターブキィそれぞれに口を近づけて「フッ」と吹いていたのですが、飛沫を気にしないといけないシーンでは中々実行する事が難しくなってしまいました。 そこで色々考えてやってみたのですが、とても簡単に解消できる方法がありました!それは・・・

「楽器を振る。」ただそれだけです。(なんで今まで無理な姿勢で「フッ」と頑張っていたのでしょうか。)

ただ、振り方にはコツがあって、オクターブキィの中の管が下を向いているように振る必要があります。

まず左手をオクターブキィと薬指(ソの音)を押します。

それから右手でしっかりとベルを持ち、楽器を横に(オクターブキィ内の管が下を向くイメージで)して優しく揺らします。

ネックの方は楽器をそのまま軽く振るか、ネックを外してハンカチなどの上でトントンと中の水を出してしまった方が確実にノイズは取れます。

オクターブキィに関するノイズはオクターブキィを押した「ソ、ソ#」「ラ」で顕著に起きます。それは、それぞれの音に混ざって「ザー」っと言う感じの音が入るのが特徴です。これらは水滴を取り除く事で解決出来るので、ぜひ試してみて下さい。

これ以外にもサックスはノイズが生じることがあります。それはリードの付け位置が良くなかったり、フィンガリングミスによるものですのでまた次回取り上げて解説します。

変な音がしたり、思う音が鳴らなかったらつい「自分の吹き方が悪いんだな。」とか「初心者だからかな。」と自分のせいにしてしまいがちですが、それぞれの不具合には必ず理由があります。

必ず解決出来ますから安心して下さいね。

追記:リードミスの問題に関してはこちらの追加記事をご覧ください。

「練習中の楽器のこんな不具合に困ってる。」などのご意見お寄せいただくととても嬉しいです。必ず解決しますのでおまかせくださーい!

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村田 紅
大阪音楽大学卒業後ミ・ベモルサクソフォンアンサンブルメンバーとしてヨーロッパ諸国やアメリカカーネギーホールやタイ王室、中国などでのクラシック音楽の演奏を経てジャズ、ラテン、現代音楽とジャンルにとらわれない演奏スタイルを確立。 音楽理論、ソルフェージュのレッスンも行っている。