Pentatonic : Lydian Dominant

以前にも当ブログでは Lydian scale (M7#11) について述べましたが、今回は Lydian Dominant (7#11) コードの演奏の仕方についてペンタトニックに焦点を当ててみたいと思います。

・#11 はどの音?
・どんな音階?
・ペンタトニックは?(複数あり)
・どの曲に使われている?

順を追って考えてみましょう。

・#11 はどの音?

#11 はルート(根音)の増4度上にある音です。例えば C(ド)がルートの場合は F#(ファ#)となります。

・どんな音階?

7(#11) の時に使用する音階はリディアン・ドミナントスケールです。(曲によってはホールトーンスケールも使用出来ます。) 今回はリディアン・ドミナントスケールに焦点を当てて見てみましょう。

リディアン・ドミナント・スケールはメロディック・マイナー4番目のモードです。
C7(#11)の場合 C(ド)が4番目(完全4度)に位置する音階を考えれば良いと言う事です。 C が4番目と言う事は4つ下の音を考えれば何のメロディック・マイナーかすぐにわかります。 C の完全4度下は G(ソ)ですから、 C7(#11)はG メロディック・マイナーに所属するとわかります。

まずGメロディック・マイナースケールを見てみましょう。

Gメロディック・マイナスケールの4番目のC からこの音階を並べ直すと Cリディアン・ドミナントスケールになります。

・ペンタトニックは?(複数あり)


C7(#11)の時には リディアン・ドミナントスケールを使用出来ると理解してもいきなりこの7つの音でメロディを構築するのは難しいかもしれません。 そこで役に立つのがペンタトニックを使用する方法です。

ペンタトニックを自在に操るエクササイズとして、私はジェリー・バーガンジィ著 Inside improvisation series volume 2 Pentatonics を強くおすすめしていております。

リディアン・ドミナントで使用出来るペンタトニックは同書では3種類出てきます。法則を覚えましょう


・ルートからマイナー3度下(短3度下)のm6 ペンタトニック
・コードシンボルの7thから始まる ♭6 ペンタトニック
・コードシンボル#11thから始まるホールトーンペンタトニック

2つ目、3つ目はあまり馴染みのないペンタトニックかも知れませんが、是非使用してみてください。
ではその内容について見てみましょう。

・ルートからマイナー3度下(短3度下)のm6 ペンタトニック

C7(#11)の場合Cのマイナー3度下は A ですので、Am6 ペンタトニックです。構成音はこのようになります。
音符の下の数字は C7 から見た音です。(例:6はCから数えて6番目)

・コードシンボルの7thから始まる ♭6 ペンタトニック

C7(#11)の場合 7th は Bbの為B♭Major♭6 ペンタトニックです。

・コードシンボル#11thから始まるホールトーンペンタトニック

C7(#11) の#11音はF# なので、F# ホールトーンペンタトニックとなります。

・どの曲に使われている?

Lydian dominant は多くの曲に出て来ますが、誰もが知っているスタンダードでは Take the ‘A’ train の3小節目に出てきます。 あのちょっと調子っぱずれに聞こえるけど何だかかっこいいサウンドです。

12月のワークショップではこの曲で#11 をどのように扱ったら良いのか、3種類のペンタトニックはどう使ったら良いのかを説明しながら皆さんで練習しましょう! かなりしつこく説明しますので、絶対に使いこなせるようになりますよ! もちろんテーマもご一緒に演奏します。キィはCです。(アルトサックスの場合は#3つ、in Bb 楽器の場合は #2つです)

アドリブ初心者の方でも、ボーカルスキャットをしてみたい方でも、どんな楽器でも大丈夫です。楽しくご参加ください。

12月ワークショップ日時は
12月8日(日)14:00-15:00
12月12日(木)15:30-16:30 (どちらの日も同じ内容です。)
参加費:¥2,000
場所:ムラータミュージック


村田 紅
大阪音楽大学卒業後ミ・ベモルサクソフォンアンサンブルメンバーとしてヨーロッパ諸国やアメリカカーネギーホールやタイ王室、中国などでのクラシック音楽の演奏を経てジャズ、ラテン、現代音楽とジャンルにとらわれない演奏スタイルを確立。 音楽理論、ソルフェージュのレッスンも行っている。