ソルフェージュのレッスン内容

ソルフェージュのレッスンとは音感を鍛えるレッスンです。
ただし、鍛え方が目的によって変わります。
今回は目的別にどのようなレッスン内容なのかを具体的に説明します。

音楽大学受験生の場合

音楽大学の受験科目にはソルフェージュが必ずあり、日本の場合
・聴音(学校によって旋律だけのところと、さらに和声も試験科目になっているところがあります。)
・新曲視唱(その場で与えられた楽譜を歌います。)
海外の場合はさらにリズムソルフェージュと言って聞いたリズムを書き取る試験があります。
          追記:東京音楽大学でも取り入れられています。

まず聴音を目的とする場合聞いた音を具体的に楽譜に記さなくてはいけないので簡単な音程を何度も聞きながらさらに記譜法についてもレッスンします。これはソルフェージュの中でも一番難しいレッスンになります。
ただし、受験の聴音はある程度のパターンが決まっているので慣れると必ず出来るようになります。

次に新曲視唱を目的とする場合は楽譜を見て音程とリズムを判断して、それを正しい音程で歌う必要があります。
このためには歌うレッスンも必要になるので、口の形による音程の崩れやすさなどを注意して簡単なボイストレーニングも行います。

楽器演奏者の場合

楽器奏者の場合必要なのは
・ライブやセッションで周りの音を正しく判断する
・演奏中瞬時にハーモニーを作る(隣近所のプレイヤーとハモる)
・参考にしたい音源のトランスクライブ(耳コピ)

周りの音を聞き取るのはコードのパターンを知る事もとても大切になります。実際に海外の音楽大学ジャズ科の試験には実際の曲のコード進行のベースのある部分を書き取ったり、ある小節のコードを書き取ったりするものが多いです。これは、単に聞くだけではなく、知識も必要になります。

ハーモニーを作るのもコードの知識が必要となります。コードの中で使える音とメロディとの兼ね合いを知るために理論もレッスンします。

耳コピをするのも上記のものと同じです。単に「聞こえる音を拾う」だけ・・・と言う事をしていると膨大な時間がかかります。コードやある程度のフレーズパターンの知識があればそんなに大変な作業ではありません。したがって楽器奏者の場合、総合的なレッスンとなります。

ボーカリストの場合

歌手の場合ソルフェージュの目的は
・メロディーフェイク
・スキャット
・コーラス
・間奏などのオブリガード

ではないでしょうか。
これらは全てコードの知識も伴わないと出来ません。
感覚だけで練習しようとする人もおられますが、知識があった方が遥かに近道だし確実な技術習得となります。

ボーカルの場合、実際のコードトーンを歌いながら練習していきます。またソルフェージュに重きを置いたレッスンなので、上手に歌うと言うよりかは正しい音程を取る内容になります。

音感と言うと「何か特別な感覚」と思いがちですが、12種類の音程がどう存在しているかを理解すれば誰でも持つ事が出来るものです。「出来ない」事は何もなくて単に「知らない」事があるだけです。知れば必ず出来る様になります!!

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村田 紅
大阪音楽大学卒業後ミ・ベモルサクソフォンアンサンブルメンバーとしてヨーロッパ諸国やアメリカカーネギーホールやタイ王室、中国などでのクラシック音楽の演奏を経てジャズ、ラテン、現代音楽とジャンルにとらわれない演奏スタイルを確立。 音楽理論、ソルフェージュのレッスンも行っている。