ラクールのエチュード3番

サクソフォンの練習曲集で世界的に有名な曲集の一つがこのラクールのエチュードです。このエチュードはサックスを演奏する際のビブラートやタンギング、ピアニッシモとビブラートを利用したフェイドアウトなど、アンブッシュアーと息の使い方、そして替え指を徹底的にトレーニングするエチュードです。 特に美しいバラードを演奏したいと思っている方には是非手にとって頂きたい本のひとつです。

このラクールのエチュード1巻の1番は一拍に4つのビブラートをかけ続ける練習で、2番はビブラートをかける音とかけない音のコントロールを練習するものになっています。1番と2番はそれぞれムラータミュージックInstagramにてデモンストレーション演奏をアップしていますので、練習方法がわからない方の参考になれば幸いです。

1番はこちら2番はこちら

ではいよいよ3番です。この3番は今までのように2分音符や全音符のように白玉の音符にはビブラートをかけるのですが、それに加えて四分音符どこか一つだけにもビブラートをかける事にチャレンジしてみて下さい。動画ではフレーズの一番高い音とスラーの最初の音にかけています。

さらに、替え指をひとつマスターしましょう。

「レ」と「レ」に挟まれたド#の替え指です。

レの指からシとラを外します。

オクターブキィを押した真ん中の「レ」の音から左手の人差し指(シ)と中指(ラ)を離したような形になります。わかりやすく運指表で示します。

これは3小節目に出てくるフレーズで使います。このフレーズは全体を通して何度か出てきますので毎回使用してみて下さいね。このフィンガリングはとても便利で、左手さえこの形になっていれば右手は押さえていなくても、(または何を押さえても)開放のド#の音になる上に音程も良く、音色も安定します。必ずオクターブキィを押さえて下さい。もし押さえなかったら音程がとても低くなってしまします。

動画ではなるべくわかりやすいように手元をアップにして撮りました。

ラクール3番

コロナと梅雨のダブルパンチ・・・・この間に全曲アップ目指します!

村田 紅
大阪音楽大学卒業後ミ・ベモルサクソフォンアンサンブルメンバーとしてヨーロッパ諸国やアメリカカーネギーホールやタイ王室、中国などでのクラシック音楽の演奏を経てジャズ、ラテン、現代音楽とジャンルにとらわれない演奏スタイルを確立。 音楽理論、ソルフェージュのレッスンも行っている。