異文化コミュニケーション:バンド編

今主だった演奏活動はサルサバンドでの演奏なのですが、これが面白い。

 

メンバーは、ペルー人・ベネスエラ人・プエルトリコ人・キューバ人・大阪人・京都人・宝塚人で成り立っている。

お客様は98%くらいペルー人。ブラジル人やドミニカ人もおられますが、やっぱりペルーの方が多い。

演奏場所も、中部地方が多いです。

 

南米の方からの依頼は必ず美味しいペルー料理がバンドに振舞われます。

だから・・・・では無いですが、ライブの日はとっても楽しみ。

 

そして、そういうバンドメンバーで活動しているといろいろ異文化を感じで面白いと思います。

 

 

ある日の事。

とある南米のメンバーが言う。

「クレナイあのね。日本人て、仕事の約束したらその時間にいかないとすぐ連絡してくるでしょう。なんで?」

私「あたりまえ。」

「日本てバスとか電車時間通りに来るでしょう。あれ、調子狂う!」

私「こんかったら狂うんだよ。でも、宮崎とか南の方はあんまり時間通りのバスじゃないよ。」

「だいたい、時間通りついたら失礼じゃない?」

私「着かないと失礼なの!!!」

 

結婚式の依頼演奏が来た。

 

「クレナイ、結婚式だから衣装は全員真っ白にしよう!白のドレスで来てね。」

 

これについては、日本では結婚式は花嫁以外は白を着ないと言う風習をこんこんと言って聞かせる。

 

そして、選んで来た曲が・・・・・

「Corazon partido」 これは直訳すると壊れたハートである。

結婚式で中島みゆきを歌うようなもんである。

 

この日は祝辞は私が述べる事にし、選曲も話し合い事なきを得る。

 

ある日の仕事先で

 

「クレナイ聞いて!!!さっきの担当の人自分の紹介をババアですっていうの!!!おかしいでしょう!!!」

私「あのね、馬場さんて言う名前は日本では良く有るファミリーネームなの。おかしくない。」

「キューバではババはよだれだよ。」

私「ここ日本だから。」

 

ちなみにそのメンバーでの演奏風景は・・・

 

 

また、私の名前はなかなか外国の方には言いにくいらしい。

「名前なんですか?」とステージで聞かれて

私「クレナイです。」

と言うと司会の方(ペルーの人)がマイクで大声で紹介する・・・・

 

「ふぅれないちゃぁ〜ん!」

 

私「no, no, KU  RE  NA  I  !!!!」

 

「うんうん、こぉれないちゃ〜ん!!!」

この日はあきらめました。

私は小牧市では「来れないちゃん」です。

 

これないちゃん、歌ってます。

 

 

あるキューバ人は2年かかっても言えなかった。

最初はまず必死で覚えて

「くぉりぬあぁい!」と言う。

まずのばすサウンドが無い事とアクセントをつけずに発音する事を伝える。

 

最近わかったのですが、アクセントをつけない、のばさない、のどの奥で発音しない!

この三大原則を守るとどこの国の人でも、日本語らしい発音が出来ます。

 

その結果かれは上達した。

 

「懲りない」

 

と取りあえず間違ってはいるが日本語らしい。

 

その調子!頑張って!!

 

そして彼は今年の夏真剣なまなざしで言いました。

 

「栗、無い」

・・・・・・・・・

ま、いっか。

 

ちなみにアルゼンチンから来た歌手は「ミルタ」と私を呼びます。

アルゼンチンタンゴを習っていた時に、チリ人の先生が日本の名前が覚えにくいからと命名してくれました。

 

書き始めるととめどなく出てきました。

また次回に続けます。

 

村田 紅
大阪音楽大学卒業後ミ・ベモルサクソフォンアンサンブルメンバーとしてヨーロッパ諸国やアメリカカーネギーホールやタイ王室、中国などでのクラシック音楽の演奏を経てジャズ、ラテン、現代音楽とジャンルにとらわれない演奏スタイルを確立。 音楽理論、ソルフェージュのレッスンも行っている。