Hola! Que bola?

ムラータのコラム
“オラ!ケ・ボラ?”

VOL.38 カウベルで皆を踊らせろ!フィルインを決めよう「気分が大事」編

Hola! Que bola? みなさん、お元気ですか?京都店の村田です。
先日、ブエナ・ビスタで脚光を浴びて90歳を越える高齢で来日を果たしたコンパイ・セグンド、さらにサルサの女王セリア・クルースが相次いで逝ってしまわれました。ひとつの時代が終わるのを感じずにはいられませんが、音楽は進化しながらも確実に受け継がれていくんですね。

さて、今回は具体的なフィルインをご紹介したいと思います。
まず最初にキューバで先生のコリーに習ったフレーズをご紹介しましょう。フレーズと言っても本当にシンプルで、1小節の中に8分音符が8個並んでいるだけです。8ビートが叩ける人なら誰でも簡単に出来そうに思えます。

 「キキキキ・キキキキ」

ご覧のとおりです。
例によって見本をコリーが演奏してくれますが、何の変哲もない8分音符の羅列にしか聞こえません。いくらなんでもこれは出来ない筈がないと高をくくりやってみます。いつものことなので結果はもうお分かりでしょう。タイムは問題なく正確に演奏できている筈なんですが、あきらかに違います。ご覧のようにシンコペーションもなく、特にアクセントがあるわけでもありません。音色の違いと言っても今回はそう大差があるとも思えません。私の音に欠けているのは説得力です。今になって何とかわかるようになってきましたが、説得力のある音を出すには音符の長さをしっかり感じて演奏することが重要です。言い換えれば、一つ一つの音をしっかり感じると言うことです。これには、地道なトレーニングが必要です。毎回のように言っているので、もう皆さんもご承知でしょう。
そして、もうひとつ大切なことがあります。キューバに限らず良いミュージシャンは口を揃えたように、胸を叩きながらハートと答えます。ハートと言うとなんだか大げさですが、気持ちや気分を音に出すようにすれば良いんだと思います。音楽を聴くことで、感覚が刺激されて気分が変わったりしますよね。この「気分」が大切なのだと思います。
さて、カウベルのフィルはどんな気分なんでしょうか?キューバ音楽のリズムの場合は、明るい暗いといった違いがあったとしても、とりあえず元気がないカウベルは話になりません。さらに、行列を誘導するような胸を張ったリーダーシップも必要です。
カウベルのフィルインは、ここという時に元気良く掛け声をかけるような気分で、鐘(カウベル)を打ち鳴らしましょう。ドラムのフィルインとしてビートを刻みながら入れてみてはいかがでしょう?

2003/7/24掲載

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ムラータコラム「Hola! Que bola?」は、20年間に亘り京都店店長として勤務したDRUMS PROSHOP GATEWAY配信のメールマガジンGATEWAY NEWSにて、2002/1/10から2008/7/24に亘り掲載したコラム“キョートテンチョー・ムラータのオラ・ケ・ボラ!”より抜粋して掲載しています。