前回の楽典では近親調の平行調と同主調について説明しました。この二つは必ず長調(メジャー)と短調(マイナー)のペアになります。今回は主音から数えて4番目の下属調と5番目の属調についてご説明します。
これは受験でもアドリブでも重要な関係性の調です。
・平行調は調号が同じ長調と短調のペア(例:CmajorとAminor)
・同主調は主音が同じ長調と短調のペア(例:CmajorとCminor)
平行調と同主調はとても近い近親調で、いわば夫婦のような感じです。(陰と陽的な)🌓
今回説明するのは属調と下属調です。この転調は長調どうし、短調どうしの転調となりますので親子とか兄弟のようなイメージです。
属調と下属調に入る前に音階の7つの音の呼び名について見てみましょう。音階の一つひとつの音には名前があります。
この主音から見て5番目にあたる属音を主音とする調を「属調」と言います。
例えば C major の主音はC(ド)です。そのCから数えて5番目にあるのはG(ソ)の音です。そのGから始まる音階 G major が属調になります。
従って C major の属調は G major と言うことになります。属調への転調はシャープが1つ増える(またはフラットが1つ減る)転調です。
曲で言うとバッハのインヴェンション1(BWV772)が非常にわかりやすくCmajorからGmajorへ転調しています。
次に主音から見て4番目にあたる音を主音とする調を「下属調」と言います。
C major から見ると F major になります。下属調への転調はフラットが1つ増える(シャープが1つ減る)ことになります。
曲で言うとSatin doll や オルフェのサンバ、黒いオルフェの後半、On the sunny side of the street などです。
何度も言いますが平行調、同主調は長調と短調のペア。
属調、下属調への転調は長調同士か短調同士の転調となります。今回はこれがポイントです!
次回はちょっと遠い近親調について説明します。
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