アドリブレッスンにオススメのテキスト

ムラータミュージックではこちらで楽譜のお取り扱いを始めました。

これは私がレッスンで実際に生徒さんに学んで頂きたい楽譜や「これは良い!」「絶対必要!」と思ったものを仕入れております。

本日はそんな中から一冊、最近レッスンで皆様にお勧めしようと思っているものをご紹介します。

糸井将博著のドレミ出版「ジャズ・アルト・サックス実践と理論」と「ジャズ・テナーサックス実践と理論」です。

テナーサックスとは書いていますが、要は in Bb 記載という事なのでトランペット🎺でもクラリネットでも使用出来ます。

この本は

・コードの構成音(Am7 だったらラ・ド・ミ・ソ) やコード内で使用できる音階 (Available note scale)はわかってきた(もしくは調べる事が出来るようになって来た。)けど、良い感じでアドリブが出来ない・・・。とお悩みの方や、

・レッスンで効率良くアドリブの説明をしながら曲を練習出来るテキストが中々無い。と思っておられる講師の方。

・クラシック(音楽大学クラシック科や吹奏楽部)をずっとやって来たけれど、ジャズのアドリブも勉強したい。と言う技術と知識はあるけど、そこから先どうして良いのか分からなくて困っておられる方。

そんな方々にピッタリの一冊です。楽器を始めたばかりの初心者の方には難しいと思います。初心者用のテキストも後日お知らせしますね。

アルトサックス用がこちら

テナーサックス用はこちらです。

この本の使いやすいところは、左ページにテーマ。右ページにアドリブ、とトータル2コーラスと言うシンプルな構成で(テーマが短い曲は5コーラスくらいアドリブが載っています。)尚且つテーマはフェイクせずにそのままリアルブックのように記載されていると言うところです。

コードもほぼリアルブックや iReal pro と同じです。

またトニックコードはトライアドのみ(例えば、 C とか Am のように三和音のコード)で記されているので演奏者は 6, 7, maj7 と好きに選択できるようになっています。これ、ポイント高いです。

そして右ページに記載されているアドリブメロディ部分ですが、よく市販されている取り止めもなくありがちなフレーズが散らばっているのではなく、全て「これを・マスターしましょう。」と言う明確な意思を持って書かれています。

ざっくり言うと「ここではこのテクニック使おうね!」と明確に分かるのです。それは主に

II-V の王道パターン

・一つのコードが続く時のクリシェ

・ペンタトニック

cry me a river lickのテトラコード

・スケールのフレーズ

・アルペジオのフレーズ

・ブルーノートを用いたフレーズ

です。

それぞれの曲の裏のページにはavailable note scale(使用可能な音階)と解説が載っていますが、おそらくページ数の関係で文章としては全ての説明が記載されているわけではありません。

しかし、アドリブメロディは全て「あ、これを勉強してるんだな。」とハッキリ分かりやすいものが入っています。

ただし、アドリブを始めたばかりの方には少し分かりにくいと思うのでこの楽譜をレッスンに持っていくのをお勧めします。

指導者の方はレッスン中に五線譜にいちいちコードと構成音とスケールを書いて、さらにリックを書いて・・・と言う手間が省けるのでスムーズに説明がしやすいです。

この本には「お手本CD」と「カラオケCD」がついていません。この気持ちが良いほどの無駄の無さ!お会いした事もないのに私はこの糸井先生が好きです。解説やフレーズを見てもきっと理系の考え方だろうな~と言う理路整然とした一冊! CDがついていない分他のこの手の本より価格も安いです。(税込み ¥1,980)しかも曲数が多いです。

ちなみにこの本のアドリブメロディは教育的配慮に基づいて出来ているにもかかわらず美しいので、発表会やお友達の結婚式で演奏してもイイ感じで使えますよ。

アルトサックス版とテナーサックス版は2曲だけ異なる曲が入っています。

以下、アルトサックス版の掲載曲です。

1. When you wish upon a star

2. Confirmation

3. Take five

4. Speak low

5. Autumn leaves

6. Blue bossa

7. Softly, as in a morning sunrise

8. Samba de Orfeu

9. Recado bossa nova

10. How high the moon

11. Satin Doll

12. Now’s the time

13. I’ll remember April

14, Night and day

15. All the things you are

16. Stella by starlight

17. There is no greater love

18. My favorite things

19. Lupin the 3rd.

20. Giant steps

テナーサックス版は

17曲目のThere is no greater love と 19曲目のルパンの代わりに InvitationとMoment’s notice が入っています。

20曲と言うボリュームも嬉しいし、難易度も簡単なレベルから難しい高レベルなものまで幅広いし、変拍子、ビバップ、ボサノバ、サンバ、スイング、ジャズワルツ、ブルースと重要な所を押さえています。

テナーサックス版は意外と品薄になっていますので、ご希望の方はお早めにどうぞ。スタジオにお越しの方は実際に手にとってご覧いただけます。

見たらワクワク練習したくなりますよ〜。

ムラータミュージックのホームページはこちらです。

村田 紅
大阪音楽大学卒業後ミ・ベモルサクソフォンアンサンブルメンバーとしてヨーロッパ諸国やアメリカカーネギーホールやタイ王室、中国などでのクラシック音楽の演奏を経てジャズ、ラテン、現代音楽とジャンルにとらわれない演奏スタイルを確立。 音楽理論、ソルフェージュのレッスンも行っている。