耳がいいのか悪いのか?

小学校の聴力検査で、「音が聞こえたらボタン押してね。」と言われ、

「今聞ずっと聞こえている音は関係無いんですか?」と言うと、

「え!この音聞こえるの!イルカ並みやな!もう検査しなくていいわ。」と言われ、

 

音大受験が決まって初めてレッスンを受けに行った時、簡単な聴音のテストをして頂き

「あ、耳はいいね。問題なし。」と言われました。

 

私は耳が良いと思っていました。

ま、おいといて。

 

大学生の時、珍しいCDを自分で購入して自宅で聞いていました。

父親がその曲を聞きながら私に言う。

 

父「なんや、このCDもーたんか。」

関西以外の方には解りにくいでしょうが、これは標準語に直すと

「おや、このCDもらったの?」となります。

 

それは貰い物ではなく自分で買ったので、

私「いや、こーたんや。」(買ったんだという意味)

 

以下、セリフの横に標準語を書きます。

 

父「こーたんか。こーたんて誰や・・・」

私「は?」

 

二人無言でCDを聞く。

 

父「なぁ、これやっぱりもーたんとちゃうんか。」(もらったんじゃないのか?)

私「こーたんやって。昨日こーたんや。」(昨日買ったの。)

父「お父さんこれもーたんやと思うねんけど。」(お父さんはもらったと思う)

私「たまにはこんなジャンルも買うねん。ちゃんとこーてきたんや。」

 

また無言でCDを聞く。

 

そしてもう一度父がいう。

 

父「なぁ、お父さんな、これやっぱりイブ・モンタンの声やと思うねん。」

私「そら、イブ・モンタンやもん。」

父「あんたこーたんや言わんかったか?」

私「こーたんて誰や。」

 

たまりかねた妹が間へ入る。

 

「あのな、二人共噛みあわなさすぎ。お父さんはさっきから ”もーたん” じゃなくて、”モンタンか?”って聞いてるねん。なんで二人で延々そんな会話してるん。」

 

なんと!!!関西弁ならではの聞き間違いで延々と話が食い違っていたのです。

「もーたん」では無く「モンタン」だったのですね。

父も父です。最初からフルネームで言えばいいのに。

 

こんな空耳があまりにも多く、私はやはり耳がよくないのかと気にしていたところ、

フランス語の先生がズバリおっしゃって下さいました。

 

「紅君、耳は良いが頭が悪い。」

おっしゃる通り!

イブ・モンタンの「枯葉」を聞いていました。

この写真は「ギャルソン」と言う映画のもの。

かっこいいーkira01.gif

 

 

 

 

 

村田 紅
大阪音楽大学卒業後ミ・ベモルサクソフォンアンサンブルメンバーとしてヨーロッパ諸国やアメリカカーネギーホールやタイ王室、中国などでのクラシック音楽の演奏を経てジャズ、ラテン、現代音楽とジャンルにとらわれない演奏スタイルを確立。 音楽理論、ソルフェージュのレッスンも行っている。