Hola! Que bola?

ムラータのコラム
“オラ!ケ・ボラ?”

VOL.20 巨匠コリーの奥深い教え「叩かない音の大切さ」編

Hola! Que bola? みなさん、お元気ですか?京都店の村田です。
京都の三大祭である秋の時代祭りも終わり、京都もすっかり秋らしくなって来ました。紅葉にはまだ早いかもしれませんが、野山の自然に触れるハイキングなどには絶好の季節ですね。

さて、ボンゴレッスンでは様々なマルチャを習得してきましたが、今までのものは8分音符で全て埋められたものでした。今回のレッスンでは叩かない音符のあるマルチャのレッスンです。
まず最初は、4拍目の裏に左手のアクセントを入れて1拍目の右手を叩かないというフレーズです。いわゆるロックやジャズでもよく使われるオーソドックスなシンコペーションの代表的なフレーズです。
今までもそうですがコリーのレッスンには一切譜面は出てきません。覚えておくためにレッスン終了後、自分のノートには書き留めてはおきますが、レッスン中はコリーが叩いたものを真似る、口でフレーズを言ってみるといった非常に古典的な方法です。

コリーのマルチャを聞いて、同じように演奏してみます。一拍目の右手を叩かないだけなんですが、なんだかぎこちない音です。もう一度お手本をよく聞いてみてわかりました。左手の裏拍にポイントがあります。休みなく同じテンポで刻まれている左手の裏拍のコントラティエンポをしっかり感じることでした。
再度チャレンジ!今回は自分なりに結構いけてると思っていたんですが、いきなりコリーが大きい声でフレーズを叫びだしました。どこかが間違っているようです。声に出されたフレーズを聞いてわかりました。私は叩かない1拍めの右手休んでいたんですが、コリーは叩かない右手の音符分まで音を伸ばしていました。
そうなんです、休符ではなくてタイでつないで4分音符の長さを演奏しろということでした。

打楽器は物理的に考えると音符の長さは変わりませんが、リズムの取り方や感じ方で全く違うように聞こえます。不思議です。手や撥を使って叩くという原始的な楽器であるがゆえに、ある意味で他の楽器より表現力が必要な楽器かもしれません。

今回のレッスンでは、叩かない音符にはタイで繋がれた音符と休符があるということを再認識しました。その日以来フレーズをまず口ずさんでみるようにしています。

Nos vemos!  それでは、またお会いしましょう。

2002/10/24掲載

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ムラータコラム「Hola! Que bola?」は、20年間に亘り京都店店長として勤務したDRUMS PROSHOP GATEWAY配信のメールマガジンGATEWAY NEWSにて、2002/1/10から2008/7/24に亘り掲載したコラム“キョートテンチョー・ムラータのオラ・ケ・ボラ!”より抜粋して掲載しています。