Hola! Que bola?

ムラータのコラム
“オラ!ケ・ボラ?”

VOL.50 カウベルで皆を踊らせろ!もうひとつCampana編

Hola! Que bola? みなさん、お元気ですか?京都店の村田です。
商売繁盛の祈願に、祇園のゑびす大社に行きました。さすがにすごい人で、もみくちゃになる人込みの頭上を賽銭箱めがけてお金が飛び交い、横では巫女さんが舞い、高価な笹が次々と売れていきます。ここだけは、不況という言葉があてはまらない別世界のようでした。外国の人が見ると、きっと異様な光景なんでしょうね。

さて、今回はもうひとつのコンパルサのカンパナを紹介しましょう。今回のパートは小編成では省かれる場合もある補助的なセカンドパートなんですが、このカンパナがあるとないとではサウンドの厚みがかなり変わります。それでは早速カナ譜例で紹介しましょう。
「キ・ンンキン・コンンキ・ンキキン・コンン」

どこかで見たことがあるフレーズですよね。高低の音程差が異なりますが、前々回ご紹介したクラベスとメインのカンパナによるアンサンブルの複合リズムと全く同じリズムです。従ってこのセカンドパートを演奏するには、アンサンブルを正しく理解することが必要となるので、もう一度前々回の内容をチェックしてみてください。実際にアンサンブルしてみるとわかるんですが、メインのカンパナとリズムが重なる部分が数ヶ所ありますが、面白いことにその全ての部分でメインが高ならセカンドは低、逆にメインが低ならセカンドは高というように音程の高低が逆になっています。音程差がついて共鳴するようになっているんですね。同じぐらいの大きさのカウベルでも、音がぶつかることがないんです。良くできています。

さて、それでは今回もこのリズムをドラムセットへ応用してみましょう。今回は「キ」をバスドラム、「コ」をスネアドラム、そしてハイハットは8ビートで演奏してみてください。また前回とは違ったラテンビートの完成です。簡単すぎるという方には、ハイハットをメインのカンパナのリズムでお試しください。
さらに、ハイハットをカウベルに換えて高低の音程差のついたメインのカンパナのパターンにすれば完璧です。キューバのPello El Afrokanが生みの親である“Mozambique”モサンビーケ(※)というリズムがあり、近年ではドラムセットで演奏されることもよくあります。これは実は、このコンパルサのリズムが原形になっているんです。先ほどのパターンにもう少しシンコペーションを効かせればモサンビーケになるんですよ。

Nos vemos!  それでは、またお会いしましょう。

(※)英語発音では「モザンビーケ」ですがスペイン語では「モサンビーケ」になります。

2004/1/22掲載

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ムラータコラム「Hola! Que bola?」は、20年間に亘り京都店店長として勤務したDRUMS PROSHOP GATEWAY配信のメールマガジンGATEWAY NEWSにて、2002/1/10から2008/7/24に亘り掲載したコラム“キョートテンチョー・ムラータのオラ・ケ・ボラ!”より抜粋して掲載しています。