Hola! Que bola?

ムラータのコラム
“オラ!ケ・ボラ?”

VOL.22 巨匠コリー式ルーディメンツ?「フラム」編

Hola! Que bola? みなさん、お元気ですか?京都店の村田です。 
早いもので今年も残すところあと1ヶ月となりました。なにかとあわただしい時期ですが、体調にはくれぐれも気を付けて下さい。

さて、単調なリズムの繰り返しによりグルーヴが生み出されるマルチャに加え、シンコペーションの躍動感あふれるアクセント。ボンゴレッスンはますます複雑さを増してきました。ところで、ドラムでは一般的に広く使われているルーディメンツは、キューバのミュージシャン、特にコンガ、ボンゴ奏者は殆ど使うことがありません。ルーディメンツに代わる独特のフレーズをそれぞれのミュージシャンが使っているようです。

今回のレッスンでは、その独特のフレーズにチャレンジします。ルーディメンツの代表的なひとつに挙げられる“フラム”に似たフレーズのレッスンです。まずは、コリー先生がお手本を演奏してくれました。今までどおり両手共に人差し指一本で、今にも張り裂けそうなカン高い音で、「トラッ、トラッ、トラッ」。なるほど、1打目右で、2打目左、ルーディメンツなら逆もあるけど、それが無いだけなら簡単。叩いてみます。どうやらOKのようです。

次は、フラム?を使ったショートフレーズです。同様にコリーが演奏してくれます。
「ドタトラッ、ドタトラッ」。手順は交互打ちです。叩いてみます。また前回のように、コリーがフレーズを叫びだしました。今回は手拍子もいっしょに。
「あっ!そうなんや!」フラムというと前打音で2打目が拍に合いますよね。でもコリーの手は1打目、「トラッ」のトに合っています。ラッに合うフラムに慣れているので、トに合わすのに一苦労です。どちらが正しいとかそういう問題ではなく、純粋にカッコいいと感じました。キューバのソンの気分がするフレーズです。馬が駆け抜けるようなスピード感の秘密はどうやらこの辺りにあるのかも知れません。

こういったことは、何もキューバ音楽だけに限ったことではなく、あらゆるジャンルにありがちなことだと思います。それぞれのジャンルに独特の気分とか雰囲気があります。気分とか雰囲気と言うと一見曖昧なものに思えますが、私には今回のように正確なポイントがあるように思います。

思い込みというのが、どうやら上達の妨げになるということもあるようです。

Nos vemos!  それでは、またお会いしましょう。

2002/11/28掲載

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ムラータコラム「Hola! Que bola?」は、20年間に亘り京都店店長として勤務したDRUMS PROSHOP GATEWAY配信のメールマガジンGATEWAY NEWSにて、2002/1/10から2008/7/24に亘り掲載したコラム“キョートテンチョー・ムラータのオラ・ケ・ボラ!”より抜粋して掲載しています。